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価値創造ストーリー

医療課題

  • ・より高画質・鮮明な画像による病変の発見率の向上
  • ・被ばく量低減による患者さんへの負担軽減

医療被ばくを半減したい。

より少ない被ばくで高精細な画像の提供へ

「どうしたら、より被ばく量の少ない検査を、より多くの患者さんに届けられるだろう」。CT 開発に取り組むキヤノンメディカルは、この課題について長年考え続けてきました。CTによる医療被ばくは疾患を発見するために不可欠なもの。より高画質な画像を得るためには、より多くの照射線量が必要になるという「低被ばく」と「高画質」はトレードオフの関係にあります。患者さんの負担を減らすためにできることは、より少ない照射線量で高画質の画像ができる技術を開発し、提供すること。患者さんの負担軽減と精度の高い診断に寄与するための私たちの挑戦は、これからも続きます。

キャノンメディカルの挑戦 01

「CT 被ばく半減プロジェクト」で、患者さんの医療被ばく低減へ

CTの開発以来、私たちは被ばく低減技術の開発に取り組み続けてきました。2011年の福島第一原発事故発生後、患者さんの医療被ばくへの関心は高まりました。「国内で大きなシェアを持つ当社が被ばく低減技術を広めれば、患者さんの役に立てるはず」。このように決断した私たちは「CT 被ばく半減プロジェクト」を掲げ、当時最新の被ばく低減技術(Adaptive Iterative Dose Reduction 3D :AIDR 3D)を全機種に標準搭載。既存のCT 装置についても無償でソフトのアップグレードを行いました。その結果、日本にあるCTの半数程度がAIDR 3D を搭載したCT 装置を使用するようになり、多くの医療施設で従来よりも少ない放射線量での検査を提供できるようになりました。

従来よりも少ない放射線量での検査を実現した「AIDR 3D」の画像比較。(左)従来画像(右)「AIDR 3D」

キャノンメディカルの挑戦 02

患者さんのために
これからも続く、被ばく低減技術開発への取り組み

CT開発に取り組む上で、被ばく低減と画質向上の両立が重要課題の一つ。当社はAIDR 3D の開発後も、更なる画像再構成技術の開発を続けています。より低ノイズかつ空間分解能を高めるFIRST や、近年はディープラーニングの技術を用いて設計したAiCEやPIQEをリリースし、臨床現場への展開を拡げています。私たちはこれからも、患者さんがより良い検査を受けられるよう、必要とされる技術を開発していきます。

Interview

世界中のすべての患者さんの被ばくを低減したい。
メーカーと現場がタッグを組み、より良い技術を世界へ発信。

キヤノンメディカルシステムズとは2011年から共同研究を行い、AIDR 3Dをはじめとする画像再構成技術の開発に関わってきました。2015年からは広島県三次市にて、低線量のCT で肺がん検診をすることで早期発見・治療を目指すプロジェクトを実施しています。共に開発してきた技術は実際の臨床現場で役に立ち、普及機にも搭載できる優れた技術ですので、世界中の患者さんに貢献できればと期待しています。キヤノンメディカルシステムズは医療に携わる会社として、患者さんに貢献するというミッションに真摯に取り組んでいる会社だと感じています。これからも1人ひとりの患者さんのためを想って、産学連携で技術の発展に取り組んでいきます。

広島大学大学院
医系科学研究科
粟井 和夫教授

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