01. 部位と分布
系統的走査法を用いて、
確実に病変の存在部位および分布を明らかにする
虚血性大腸炎。下行結腸に連続性びまん性の壁肥厚を認める。部位と分布は各疾患により異なっており、それらを知ることは診断上有用である。
超音波検査で効率的に多くの情報を。
川崎医科大学 検査診断学 教授 畠二郎先生が
消化管における超音波診断のコツやポイントを
動画でわかりやすくご説明します。
系統的走査法を用いて、
確実に病変の存在部位および分布を明らかにする
虚血性大腸炎。下行結腸に連続性びまん性の壁肥厚を認める。部位と分布は各疾患により異なっており、それらを知ることは診断上有用である。
胃:5mm以内/小腸:4mm以内/
大腸:3mm以内
正常な胃前庭部。壁の厚みは3mm程度である。動画では胃排出も観察される。厚みそのものは鑑別診断に直結しないが、肥厚に気づくことが診断契機となる。
明瞭/不明瞭/消失
進行胃癌。約半周で層構造の消失した肥厚を認める。層構造は病理学的変化を反映しており、鑑別診断に重要である。
正常壁各層との比較
回腸悪性リンパ腫。腫瘍の輝度は非常に低い。エコーレベルは病変の組織構築を反映している。
潰瘍、壁外浸潤
十二指腸潰瘍。壁の欠損(潰瘍)による変形を認める。癌の浸潤による漿膜面の変形や、慢性炎症による大腸ハウストラの消失などもある。
拡張したものは追跡
単純性腸閉塞。索状物による圧排が狭窄の原因であった。病的拡張を認める場合、その腸管を肛門側に追跡してその原因を明らかにすべきである。
可変性と伸展性
前庭部スキルス胃癌。前庭部の伸展不良と胃体部の残渣貯留を認める。硬さは基本的に線維化の程度を反映し、伸展性や圧迫による可変性、さらにはエラストグラフィーなどで評価する。
動かない腸管は要注意
絞扼性腸閉塞。腹水、腸間膜の浮腫とともにぜん動の停止した回腸を認める。ぜん動の低下は血流障害や炎症波及を反映しており、重要な所見である。
炎症波及、壁外浸潤
S状結腸憩室炎。大腸壁の肥厚は軽度であるが、憩室周囲脂肪組織の浮腫が目立つ。周囲脂肪組織の変化は腫瘍浸潤や炎症波及の評価に役立つ。また腹水やfree airも重要。
血管形態と微細血流
潰瘍性大腸炎のS 状結腸長軸像。大腸壁の肥厚は軽度で層構造も温存されているが、SMI で描出される粘膜層の血流は亢進しており、本疾患の病態を良く反映している。
スクリーニングで使用するコンベックスプローブと詳細に観察する高周波リニアプローブを場面に応じて切り替えましょう!
唾液を飲んだり、飲水したりして判別!
剣状突起下の左肋骨弓からスタート!
大動脈、上腸間膜動脈の間を横切るものが
十二指腸水平部!
空腸は比較的ヒダが密で高い!
回腸はヒダがより疎で丈が低い!
ハウストラの定期的な膨起をチェック!
腸腰筋が見える程度に圧迫しガスを排除!
上行結腸、下行結腸との連続を確認!
最外側で最背側にある管腔臓器が下行結腸!
プローブを固定してぜん動を呈さない管腔臓器!
膀胱の背側に見える管腔臓器!